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気滞 湿熱
お血タイプ
 血液の循環が悪い

体に必要な栄養分を隅々まで送り届ける「血」の流れがスムーズに行かず停滞している事を「お血(おけつ)」と呼び、これが太りやすい原因の一つとなっています。
お血チェック あてはまる項目が多ければお血タイプ

・目の周りが黒っぽい(クマ)
・舌の裏に静脈が黒々と浮き出ている
・唇や歯茎の色が悪い
・肩や背中がこりやすい
・手足のしびれがある
・手足腰が冷える
・静脈瘤がある
・しみ・そばかすが多い
・顔色がどす黒い
・あざが出来やすい
・傷あとやにきびあとが残りやすい
・唇の色が紫っぽい
・冷えのぼせする(足は寒いのに顔や上半身だけほてる)
・頭痛・めまい・耳鳴りがする
・生理不順や生理痛がある
・月経の色が黒っぽく、レバー状の塊が混じる
・子宮筋腫や子宮内膜症がある

血流が悪いと、全身でエネルギー代謝を行う毛細血管に酵素が届かない上、脂肪燃焼酵素リパーゼも活性しにくくなって太りやすくなるのです。
また女性ではお血があると骨盤内にうっ血が起こり、冷えやすくなったりホルモンバランスを乱すことにもつながります。脂肪代謝に影響を持つ女性ホルモンの分泌が悪くなると、太りやすくなってしまいます。

気虚や気滞、湿熱が進むとお血につながります。つまり、気虚や気滞、湿熱などを改善しないまま年を経ると、ますます太りやすい体質になってしまうのです。

お血は太りやすいだけでなく、万病の元です。
お血の症状に加え、高コレステロール血症、高血圧、血糖値が高い、高脂血症などがあれば、更に危険度が高くなりますので、すぐにでも対策が必要です。

対策

お血が生じる原因は、暴飲・暴食などの不摂生、運動不足、ストレスと言われています。
まずはこれらの原因を取り除くか、なるべく軽減するように気を配りましょう。
脂肪分の多すぎる食物や、お菓子、アルコールなどの糖分の摂り過ぎを控えます。
血流を良くするのに役立つ食品、青魚やネギ類、納豆、お酢などを少しずつ摂り入れると良いでしょう。
冷たいものの飲食は体を冷やし、更に血流を悪化させます。冷えたミネラルウォーターや健康茶などをやたらとがぶ飲みするのは感心しません。なるべく温かいものを摂り、体も冷やさない工夫が必要です。

簡単なストレッチ、ウォーキングなども非常に効果的です。
疲れたと思ったら大きく体を回してみる、疲れが気になる筋肉をギューっと伸ばす、ちょっとした距離なら歩く、エスカレーターを我慢して階段を使う、など、ほんの少しずつでも生活の中でこり固まった筋肉を動かして伸ばして、筋肉の中に新しい酸素を入れてやると、気分も爽快になります。

血液の流れがいいだけで新陳代謝はよくなります。
末端まで血液がちゃんと流れるようになると入れ替わりが促進しますから老廃物もからだの外に出やすくなります。

漢方薬

田七人参丹参可首烏サンザシなどは血中脂肪が高く、血流が悪い方には非常におすすめの生薬です。お茶を飲む感覚で、煎じて飲むと良いでしょう。
漢方製剤では冠元活血丸(かんげんかっけつがん)、血腑逐お丸(けっぷちくおがん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などを用います。
便秘傾向が強ければ桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や通導散(つうどうさん)、
冷えがあり貧血傾向があれば当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、当帰養血精(とうきようけつせい)などがおすすめです。

ダイエットハーブティ・三爽茶の主成分である柳茶(りゅうちゃ)は、血中の脂肪分だけでなくすでに脂肪組織になっている脂肪分をゆっくり分解して再利用する力があると言われています。

注意事項

食物繊維等を多く摂り、排便をスムーズにするようにしましょう。
外食が多い等、栄養過多になりすぎている傾向でドロドロ血になっている可能性もあります。
青魚、ネギ類、納豆、お酢などを積極的に取り入れ、野菜類を多く摂るなど栄養バランスに注意し、炭水化物、アルコールなどの糖分、脂肪分などの過剰摂取を控えるようにしてください。
運動不足気味の人は、エスカレーターより階段を利用するようにしたり、散歩をするなど、日頃から歩くよう心がけましょう。

よく「冷え性で、肩こりで、生理痛もきついんです」とミニスカートで来られる女性がいますが、店頭ではまず間違いなく突っ込ませていただきます。冬は言うまでもありませんが、夏でもおすすめできません。
気分良く過ごすためにおしゃれは重要ですが、どんなに漢方薬を飲み、運動をしていても、冷やしては台無しです。
足を冷やすと、冷たくなった静脈血が骨盤内の子宮や胃腸を冷やしながら心臓へと戻っていきます。これが生理痛や生理不順、下痢や便秘の原因になっている場合が非常に多いのです。
女性は本当に下半身を冷やしてはいけないのです。